- 突然トラクターのエンジンがかからなくなってしまった
- トラクターのエンジンがかからずどうしてよいか途方にくれている
トラクターは精密機械です。
日頃のメンテナンスを怠っていたり、保管方法が悪いと不調が起きます。
不調の中でもエンジンがかからなくなってしまうと仕事にならないですよね。
そこで今回この記事では以下の内容をまとめました。
- トラクターのエンジンがかからない時の緊急対処方法
- エンジンがかからない原因TOP3と対処方法
- 個人でできる解決策の提案
- 日頃からできるメンテナンス
この記事は、全国33箇所に拠点を持ち、地域密着かつ全国対応している農機具の買取と販売を行っている農機具王のWEB担当である私が書かせていただきます。
この記事を参考にすれば、以下のメリットがあります。
- 素人でもとりあえずエンジンをかけるためにできることがわかる
- 修理が必要な故障がわかる
- 不調を減らすメンテナンス方法がわかる
それでは早速エンジンがかからない時の緊急対処方法をお伝えいたします。
トラクターのエンジンがかからない時の緊急対処方法
エンジンがかからない時は2パターンに分類できます。
- そもそもセルモーターが動かない
- セルモーターは動くけどエンジンがかからない
まずはどちらなのか確認して頂き、以下の内容を確認してください。
カチカチと鳴るエンジンをスタートさせるためのモーターです。車のキーを回すことでバッテリーに溜まっている電力を流して動き始めます。
そもそもセルモーターが動かない
セルモーターが動かない場合は以下の内容を実践してください。
- レバーを全てニュートラルにする
- クラッチを強く踏み込む
- バッテリーの端子やターミナルを磨く
- バッテリーを充電するか新品に交換する
- ヒューズが切れていないか確認する
レバーを全てニュートラルにする
レバーがニュートラルになっていないと、エンジンがかからないトラクターがあります。
特に比較的新しい機種になるとレバーをニュートラルにしていないかからないものが多いです。
一旦レバーを全てニュートラルにしてみてください。
クラッチを強く踏み込む
長く使っていくと徐々にセルモーターを動かす機械の場所がずれていきます。
そこを調整したり、いつもより強く踏み込んでみてください。
こちらもレバーのときと一緒で、比較的新しい機種だとクラッチを踏み込んでも必要なスイッチがついていない場合があります。
古いトラクターの対策だとお考えください。
バッテリーの端子・ターミナルを磨く
バッテリーの接続部分である端子やターミナルがサビて、電気が通りにくくなっていることがあります。
ヤスリなどで磨いてみてください。
バッテリーは−から外してから+を外します。付けるときは逆。プラスを付けてから−を付けます。
バッテリーを充電・新品に交換
上記の3点を確認したあとに、バッテリーを充電したり、バッテリーを新品に交換しましょう。
ヒューズが切れてないか確認
配線を守るために過電流が流れたときに使われるものです。
ヒューズの間が切れていないか確認してください。ヒューズもトラクターによって取り付けられている場所が違います。
取扱説明書を確認してください。切れていたら交換しましょう。
セルがモーターは動くけどエンジンがかからない
セルモーターが動いていてエンジンがかからない場合は以下の通りにしてみてください。
- グロー(予熱)の時間を長めにする
- 燃料切れだった場合はエア抜きをする
グロー(予熱)の時間を長めにする
冬場やしばらく使用していない時間が長かった場合、しっかりグロー(予熱)が必要になります。
昔のタイプであればキーを逆に回すことでグローできます。
新しいタイプであれば電気で予熱をしてくれます。
燃料切れだった場合はエア抜きをする
燃料切れすると、エンジンに空気が入ってしまいます。これがエアがみと言われます。
その場合はエア抜きという作業が必要です。
エア抜きはこちらの動画参照してください。
ご紹介している内容を実践する前に、必ず取扱説明書を読みましょう。トラクターによって少しずつ機械の場所が違います。もし手元にない場合は、トラクターの型番をみて、インターネットで調べてダウンロードしてください。
エンジンはかかりましたか?もし上記の作業を行ってみても、エンジンがかからない場合は、出張修理などを検討してください。
もしくはこの先を読み進めてエンジンがかからない原因について理解を深めていただけたら幸いです。
トラクターのエンジンがかからない原因TOP3と対策
このブログを運営している私達農機具王の全国33店舗の支店にアンケートしたところ、エンジンがかからない原因TOP3がわかりました。
- バッテリーが上がってしまった
- 燃料がエンジンまで来ていない
- エンジン故障
この3つです。それぞれ詳しく原因と対策をご紹介します。
第1位:バッテリーが上がっている
バッテリー内の電気が少なくなり、エンジンを動かすためのセルモーターを動かす電力が足りない状態です。
バッテリーは放置していてもわずかに電力を消費しています。定期的にエンジンをかけたほうがいいのはこのためです。
バッテリーはエンジンをかけている間に充電されます。
もしバッテリーが上がってしまったときは、バッテリーを外部から充電したり新品に交換して対応します。
第2位:燃料がエンジンまで来ていない
燃料がエンジンまで来ていないときに考えられるのが以下の通りです。
- 燃料切れ
- 燃料ポンプの故障
- 燃料ポンプの固着
燃料切れの場合は、エアがみをしていて、上記で紹介したエア抜きを行えば、すぐエンジンをかけることが可能です。
しかし燃料ポンプの故障と固着の場合は、どちらかを確認するためにバラす必要があります。
故障であれば新しいポンプに交換。固着の場合はばらしてから洗浄して組み立て直します。
第3位:エンジン故障
第1位と2位は、自分で対策できましたが、エンジン故障はそうは行きません。
内部の故障が起きている状態です。
特に多いのは圧縮漏れなどです。初期は影響が小さく気づきません。
少しでもいつもと違う異変を感じたら、修理屋に相談しましょう。
ここから先はエンジンがかからないような不調があまり起きないような、個人でできるメンテナンス方法をご紹介します。
個人でできるメンテナンス方法
まず大事なのは個人でやれること、やれないことを明確に線引することです。
私達、農機具王としては以下のこと以外は、個人でやらないほうが良いと考えます。
- オイル交換とエンジンオイルフィルタの交換
- グリスアップ
- 保管方法を気をつける
機械に詳しい方なら、この記事をそもそも読んでいないはずです。
できることを実践してみてください。それぞれご紹介します。
オイル交換とオイルフィルタの交換
オイル交換は比較的行っている方が多いのですが、同じタイミングでエンジンオイルフィルタの交換も忘れずに行ってください。
オイル交換とオイルフィルタの交換頻度は、お手元の取扱説明書を参考にしてください。
以下の内容は一例ですが、クボタのセルフメンテナンスのページに記載されているものです。
初回:50時間後
トラクタのセルフメンテナンス
2回目以降:200時間ごと
※形式によって交換時間は異なります。
グリスアップ
可動部分のグリスアップ(注油)も忘れずに。
油を差すことによって動作がスムーズになります。
保管方法を気をつける
やはり畑の上において、ブルーシートをかけるだけでは、ここまで話してきた端子などの腐食に繋がります。
屋内保管が一番良い選択肢ですが、屋内保管ができない場合は、アスファルトの上に置き、ブルーシートなどをかぶせましょう。
長時間使わない場合は、バッテリーの−だけ外しておくとバッテリーが持ちやすくなります。バッテリーには微弱の電気が常に流れているからです。
メンテナンス方法を以下の記事にまとめています。ここで紹介した以外のメンテナンスを知りたい方はどうぞ。
まとめ
記事の内容をまとめると以下の通りです。
- エンジンがかからないときは、2パターンある。セルモーターが動くか動かないか。
- セルモーターが動かない場合は、電気系を確認してください。バッテリーやヒューズ、スターターなどを確認しましょう。
- セルモーターが動いているのにかからない場合は、燃料系や予熱が足りてるか確認してください。燃料が送られていない場合があります。
- エンジンがかからない原因TOP3は第1位バッテリーが上がっている。第2位は燃料が送られていない。第3位は故障です。
- 日頃のメンテナンスは洗浄とグリスアップ、オイル交換とオイルフィルタ交換、保管方法を見直すことです。
- 何でも自分でどうにかしようとするのではなく、手に負えないと思ったらすぐ修理屋にお願いしましょう。
特に一番大事なのは、自分の使っているトラクターの取扱説明書をよく読むことです。
手元にない場合はメーカーのHPからダウンロードできます。トラクターに刻印されている型番をインターネットで調べてみましょう。
まずは取扱説明書を読むことから始めていただけたら幸いです。
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