- トラクターの減価償却費の耐用年数を知りたい
- トラクターの寿命(実際の耐用年数)を知りたい
トラクターの耐用年数は、トラクターを購入するとき、買取に出してもらうとき、必ず知っておきたいポイントです。
何年で償却できるか知らないと、会計上困ってしまいます。さらに実際のトラクターの寿命について知っておくことで、買い替えのタイミングを把握できます。
購入時、必ず抑えておくポイントなので、ぜひ参考にしてください。
この記事は、全国33箇所に拠点を持ち、地域密着かつ全国対応している農機具の買取と販売を行っている農機具王のWeb担当である、私が書かせていただきます。
この記事では以下の内容をまとめました。
- トラクターの減価償却費の耐用年数
- トラクターの実際の耐用年数(寿命)
- トラクターの寿命を延ばすためにできるメンテナンス方法
- トラクター買取時の使用時間の目安
この記事を参考にすれば、以下の内容がおさえられます。
- トラクターを計画的に購入できる
- トラクターを長持ちさせる方法がわかる
- トラクターを買取するタイミングがわかる
単純にトラクターがどのぐらいもつのかわかります。
まずは減価償却の耐用年数から解説させてください。
トラクターの減価償却費の耐用年数
トラクターに限らず、コンバインや田植え機など農機具用設備全般の減価償却費は7年です。
長期間使う高額なトラクターは、会計上固定資産となります。使えば使うほど減価して、定められた耐用年数に応じて、費用にできます。
たとえば150万円のトラクターを購入したとして、その費用をトラクターに設定された耐用年数7年に分けて償却できるのです。
ここで指す耐用年数とは、会計上の耐用年数であり、実際にトラクターがどのぐらいもつかという話とは違います。
中古トラクターを購入した場合は100%減価償却の対象にならないことが多いです。きちんと税理士さんなどに確認してください。
税理士さんに確認する時に聞かれるのは製造年数です。
製造年数は年式と言い換えることもできます。以下の記事で年式を確認しましょう。
それでは現実的にトラクターの寿命(実際の耐用年数)はどのぐらいなのか見ていきましょう。
トラクターの寿命(実際の耐用年数)
軽自動車が10万キロ走ると買取価格も販売価格も大幅に下るのと一緒で、トラクターは馬力によって寿命が変わります。
ここでは一般的に言われている寿命と、馬力によっての目安をご紹介します。
トラクターの馬力について確認したい方は以下の記事をご確認ください。
トラクターの寿命は15年稼働の1200時間
メーカーさんなども使っている指標が以下の通りになります。
トラクターの寿命=馬力×100時間
ただしこの数値は、定期的なメンテナンスを十数年以上行った場合なのでご注意ください。
トラクターは馬力によりますが、大体1000〜3000時間程度で寿命が来ます。
日本国内に多いトラクターは25〜35馬力程度だと言われており、実際の寿命としたら15年1200時間ぐらいです。
またトラクターは自動車と違い、走行距離ではなく使用時間を参照します。だから耐用年数というより耐用時間とも言えるでしょう。
使用時間とはトラクターのエンジンをかけた状態の時間です。
使用時間を確認するのはアワーメーターと呼ばれ、この数値で残りの寿命を計算し、買取時の査定などに一番関わるポイントとも言えます。
トラクターの馬力や使用時間は自動車に例えるとイメージが付きやすい
たとえば、20馬力のトラクターが使用時間1000時間であれば、イメージすべきは軽自動車10万キロといえます。
軽自動車が10万キロ走っていると、状態にもよりますがメンテナンス次第では、「まだ使えるけど…もうギリギリかな」というイメージです。
だからこそ、大体1200時間というのが、トラクターの寿命といえます。
2000〜3000ccほどの車が10万キロを走っていても、あまり違和感はないはずです。2000〜3000ccの自動車が30〜50馬力のトラクターのイメージです。
よく言われいてるのが1000時間使用でキャビンのエアコンが壊れてきたり、1500時間使用でクラッチ板や電装関係が壊れてきます。
私たちは中古農機具の買取と販売を行っているので、上記のような使用時間あたり寿命だと言えます。
それでは少しでも長くトラクターを使うためにはどうしたらいいのか次に書きました。
トラクターの寿命(実際の耐用年数)を延ばすためのメンテナンス方法
トラクターの耐用年数を増やしていくために必要なことは以下の通りです。
- こまめな清掃とグリスアップを行う
- 定期的にオイル交換を行う
- できれば屋内保管する
とくにやっておくべきこと3つです。
こまめな清掃とグリスアップを行う
ホコリや泥、使用した薬剤などついたまま保管しないようにしましょう。
使用後にはしっかり清掃することが大事です。
清掃をきちんとしないと、サビの原因になってしまったり、泥が固まり動作に影響がでてしまいます。
さらにグリスアップ(注油)を可動部にすることも忘れずに。
グリスアップは、メーカーが使う粘土の高いグリスがオススメです。手に入らない場合はスプレー式のCRCやラスペネなどを使いましょう。
あとは清掃しながら点検することも大事です。
問題がないか確認しながら、きちんと清掃することで、トラクターの寿命は伸ばせます。
清掃をすることで大きな故障を未然に防げます。たかが清掃ですが、されど清掃です。ぜひやってみてください!
定期的にオイル交換を行う
オイル交換を怠ると、古くなったオイルがエンジン内をまわり、劣化を早めてしまいます。
クボタのトラクターセルフメンテナンスのページにあった交換目安は以下の通りです。
初回:50時間後
トラクタのセルフメンテナンス
2回目以降:200時間ごと
※形式によって交換時間は異なります。
アワーメーターを目安に交換を行ってください。
トラクターオイル交換する際にエンジンオイルフィルタの交換も忘れずに交換してください。
できれば屋内保管する
雨ざらしになっていたり直射日光で劣化が進んでしまいます。
できれば屋内で保管するのがオススメです。
盗難防止にもなります。
トラクターは高価買取されるものなので、防犯という観点からも屋内保管がオススメです。
しかし、屋内に保管できないこともあると思います。
その場合は、以下の3つのポイントをおさえてください。
- 畑ではなくアスファルトの上に移動させる
- 錆止めを行う
- ブルーシートなどをかける
どうしてもアスファルト部分がない場合は、コンクリートの縦長の板や鉄板などの上に置きましょう。
今すぐできるとくに重要なメンテナンス方法をご紹介しました。細かなセルフメンテンナンスの方法は以下の各メーカーのページを参照してください。
各メーカーのセルフメンテナンス
メーカー | セルフメンテナンスのページ |
---|---|
クボタ | トラクタのセルフメンテナンス |
ヤンマー | セルフ点検・交換 |
イセキ | 点検整備ポイント |
メンテナンス方法を以下の記事にまとめています。ここで紹介した以外のメンテナンスを知りたい方はどうぞ。
トラクターを買取してもらうタイミング
ここまでトラクターの耐用年数とその寿命を延ばす方法を書いてきました。
トラクターは天寿を全うさせて処分にお金をかけるより、売れるタイミングで買取してしまうのがオススメです。
処分方法について知りたい方、買取の基礎知識をまず知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
トラクター買取のタイミング
使用時間によって買取金額が決まります。
馬力25〜35のトラクターの場合だと以下のような所感です。
使用時間 | 所感 | 買取業者の気持ち |
---|---|---|
300時間 | ◎ | 「状態のいいトラクターですね」 |
500時間 | ○ | 「いいですね」 |
800時間 | – | 「買取ありがとうございます」 |
1000時間 | ▲ | 「どこが壊れているかしっかり確認しないと」 |
1500時間 | × | 「輸出ならなんとか…売れる」 |
2000時間 | NG | 「買取できません」 |
イメージでお伝えすることになってしまいましたが、馬力が25〜35だとこのような感じです。
当然、50馬力のトラクターは1500時間使用していても買取は問題ありません。
やはりラインとなるのが1000時間といえます。
逆に300時間しか使用していないトラクターは高価買取の可能性が高いです。
トラクターの買取金額は使用時間だけでは決まらない
トラクターの買取金額は使用時間だけではなく、以下の要素でも決まります。
- メーカー
- 型番
- 年式
- 馬力
- 外装の状態
- 故障
様々な要因の中でも使用時間のポイントは高いです。
しかし他にも様々な要素で買取金額は決まります。
今回の記事では、使用時間と故障や外装の状態などに直結する内容です。
しっかり記事の内容を実践して頂けると、買取時にできるだけ高値で売ることができます。
まとめ
まとめると、
- トラクターの減価償却費の耐用年数は7年
- トラクターの平均寿命は15年もしくは1500時間
- トラクターの使用時間は馬力によって変わる
- トラクターの使用時間は自動車に換算するとわかりやすい
- トラクターの寿命を増やしたければ定期的なメンテナンスをする(こまめな清掃とグリスアップ、定期的なオイル交換、できれば屋内保管)
- 使用時間300時間以下のトラクターは高価買取してもらえる
でした。
ここまでお使い頂きありがとうございました。
もし不要なトラクターがございましたら、農機具王のトラクター買取ページも参考にしてください。
まずはできるところから実践してみてください。
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