今回はトラクターの相場がどのくらいなのかを、相場を決める5つの要因を農機具のプロである筆者が解説していきます。
トラクターの相場は主に5つの要因で決まっており、その要因を知ることでトラクターを購入する際に目安にすることができるんです。
そこでこの記事ではトラクターの相場を決める5つの要因について解説しているので最後までご覧ください。
【トラクターの相場の決定要因①】馬力
トラクターの価格を決める要因の一つに馬力があり、新品では1馬力10万円で中古では3万円程度が目安になっています。
ここではそれぞれの馬力帯の相場を解説していくのでご覧ください。
20馬力以下の相場
20馬力以下の相場では目安に照らし合わせると200万円程度が相場ですが、新品ではどこもこの目安と大差ありません。
例としてクボタとヤンマーの20馬力以下のトラクターは以下のようなものがあります。
クボタ | NB17 | 2,147,200円 | 17馬力 |
ヤンマー | GK16 | 1,545,500円 | 16馬力 |
あくまでもこれは一例で仕様によっても変わりますが、新品では差ほど違いはありません。
中古では1馬力3万円程度なので60万円以下が目安なので、これらの金額を基準に購入するといいでしょう。
40~50馬力の相場
40~50馬力では400万円~500万円が目安ですが、例としてそれぞれ以下のような金額になっています。
クボタ | SL45 | 5,281,100円 | 45馬力 |
ヤンマー | YT345 | 5,810,000円 | 45馬力 |
それぞれ同じ45馬力のものを紹介しましたが、どちらも45馬力の目安である450万円を上回っているのが特徴です。
60~70馬力の相場
60~70馬力の相場は600万円~700万円ですが、新品ではそれぞれ以下のような金額になっています。
クボタ | MR60 | 8,485,400円 | 60馬力 |
ヤンマー | YT460A | 7,007,000円 | 60馬力 |
ここでも60馬力のトラクターをそれぞれ解説しましたが、こちらも新品では600万円以上の金額です。
また馬力が大きくなるほど目安との差額も大きくなっていることが分かると思います。
80~100馬力の相場
80馬力~100馬力の価格は以下のようになっています。
クボタ | MR800 | 9,629,400円 | 80馬力 |
ヤンマー | YT488A | 7,475,000円 | 88馬力 |
80~100馬力のトラクターではヤンマーが目安を下回り、クボタでは目安を上回っていることがこの価格帯の特徴です。
金額的にも大きいですが、この価格帯では目安とはそこまで大きな差額はありません。
100馬力以上の相場
100馬力以上のトラクターの価格は以下の通りです。
クボタ | M100GE | 11,581,900円 | 100馬力 |
ヤンマー | YT4104A | 11,027,500円 | 104馬力 |
目安である1000万円を上回るものの、差額は100万円程度となっています。
これまでそれぞれの馬力で金額を解説してきましたが、10万円程度の誤差から100万円程度の誤差は覚悟しておくほうがいいでしょう。
では次の見出しではメーカー別に相場がどうなっているのかも解説していくのでご覧ください。
【トラクターの相場の決定要因②】メーカー
トラクターの価格はメーカーごとにも違っており、メーカーによっても金額が違うのでここで解説していきます。
クボタ
クボタは国内シェア1位で国内以外に海外でも人気の高いメーカーで、トラクターは高い耐久性を誇る以外に小型ながらもパワフルなことが特徴です。
そんなクボタでは故障が少ないことからも海外でも古い年式も人気があり、新品中古問わず他のメーカーよりも高めの金額になっています。
【トラクター価格例】
NB21-GS21 | 2,466,200円 | 21馬力 |
SL24 | 3,270,300円 | 24馬力 |
このように価格は高めなものの、クボタのトラクターは耐久性も高く使っていても壊れにくいので迷った際はクボタにしておけば間違いありません。
ヤンマー
ヤンマーは国内シェア2位のメーカーで、トラクターは運転のしやすさやパワフルなことに特徴があります。
価格は新車も少し高めの金額ですが人気も高いので長年使っている方も多いものの、メンテナンスのしにくさが少しネックになっているのが特徴です。
YT225 | 2,706,000円 | 25馬力 |
YT330A(J) | 3,795,000円 | 30馬力 |
ヤンマーもこのように高めの価格となっていますが、ヤンマーの修理工場などがある地域などではしっかりとメンテナンスも行えるので、ヤンマーに強い地域の方にはおすすめできます。
イセキ
イセキは国内シェア3位のメーカーで、新車の価格の安さとサービスの手厚さで人気のあるメーカーです。
トラクターの特徴は運転のしやすさやメンテナンスのしやすさなどに定評があるものの、故障が目立つ点もあることが少しネックになっています。
価格例は以下の通りで、金額的には少し休めなので気軽に手に入れやすくなっているのが特徴です。
RTS23 | 1,965,000円 | 23.5馬力 |
NT603E | 5,918,400円 | 60馬力 |
このようにイセキのトラクターでは他のメーカーよりも若干低めの金額なので、手に入れやすくなっています。
【トラクターの相場決定要因③】年式
トラクターの相場決定要因の3つめは年式で、中古市場ではこの年式が新しいほど価格が上がり、古いものほど価格は下がります。
ここではこの年式について解説しているので知っていきましょう。
年式とは?
年式とはトラクターがいつ販売されたのかというものを表すもので、古いものであれば80年代頃に販売されたものまで売られていることもあります。
中古を購入する際には年式も記載されているので、確認しておくことが大切です。
年式で選ぶ場合の注意点
年式で選ぶ際の注意点は安いからといって年式の古いものを選ばないということで、単純に古すぎるものを選んでしまうとパーツがなく修理ができないこともあります。
中古で購入する際にはパーツが調達できるのかをしっかりと確認しておくことが大切です。
昔の年式の価格相場
昔の年式のものが一概に安いというわけではなく、人気モデルやエンジン回りが問題なければそこそこ高い値がつくこともあります。
どのくらい古いものかにもよりますが、30万円前後で売られているものもあるので状態が良ければお得に買える可能性もあるのが特徴です。
最近の年式の価格相場
最近の年式のものは中古でも相場が高く、馬力が高めのものであれば数百万円することもあります。
トラクターの価格は新品をすぐに売ったとしても7割くらいの値が付くので、新しければそれほど高いというです。
では次の見出しではアタッチメントに関しても解説していくのでご覧ください。
【トラクターの相場決定要因④】アタッチメント
トラクターの価格を決める4つめはアタッチメントです。
ここではアタッチメントの種類やそもそもアタッチメントとは何かも解説しているので見ていきましょう。
アタッチメントとは?
アタッチメントとはトラクターに取り付けて作業を行うもので、用途に合わせてそれぞれの部品を付けて作業を行います。
トラクター単品で作業はできず、アタッチメントがなければ作業ができないので、どんなことをするのかによってそれだけアタッチメントを用意しなければなりません。
よく購入されるアタッチメント7選
よく購入されるアタッチメントは以下の7つで、畑や田んぼで作業をするのかや、土壌の性質によってもどんなものが適しているのかが違っています。
- ロータリー
- ブラウ
- 草刈り機
- ローダー
- トレイラー
- サブソイラー
- 畝立機
これらの全てを用意する必要はありませんが、作業効率を高めるためにも用意しておいて損するものではないので、自身の作業に応じて準備しておきましょう。
アタッチメントの相場
過去120日間に落札されたヤフオクでのアタッチメントの相場は537件で平均36,673円となっています。(2020/12/29時点)
ここにはジャンク品も含まれていますが、アタッチメント単品自体はそこまで高いものではないので、用意はしやすいでしょう。
またそれぞれどのようなアタッチメントなのかもここで解説しているのでご覧ください。
ロータリー
ロータリーは爪が回転するこで土を砕き、かき混ぜることができたり、平らにならすこともできるアタッチメントです。
そんなロータリーのヤフオクでの平均価格は28,591円となっています。
プラウ
ブラウは耕盤層とよばれる固い土の層を掘ることができるもので、土壌を均一にしてくれるアタッチメントです。
病原菌や害虫などを溜めないためにも定期的に天地返しを行える欠かせないものとなります。
そんなブラウのヤフオク平均相場は14,897円です。
草刈り機
草刈り機はその名の通り雑草などを刈り取るアタッチメントで、一気に雑草を切り取ることができます。
そんな草刈り機の平均相場は9,000円です。
ローダー
ローダーはトラクターに取り付けると罪になどを運ぶことができるようになるアタッチメントです。
人の手では運べないものでも運べるので、人力を使わずとも楽に作業ができます。
このローダーの平均相場は222,263円です。
トレーラー
トレーラーは重量のものを運べるもので、一般的なトレーラーと同じように運ぶことができます。
そんなトレーラーの平均相場は17,543円です。
サブソイラー
サブソイラーは固くなった土の粉砕や、水はけをよくするためのアタッチメントで、通水性や通気性をよくできます。
このサブソイラーの平均相場は77,911円です。
畝立機
畝立機は畑の畝を立てるもので、アタッチメントですぐに畝を作ることができます。
鍬を使わなくともアタッチメントに取り付けるだけで均一なものができるので畑作業を擦る方は持っておきたいアタッチメントの一つです。
そんな畝立機の平均相場は23,100円です。
では次の見出しではトラクターの相場を決める新品か中古の相場を載せているのでご覧ください。
【トラクターの相場決定要因⑤】新品or中古
トラクターの相場は新品か中古かでも違っているので、それぞれ見ていきましょう。
新品のトラクターの相場
ここではクボタのトラクターを例に、新品のトラクターの相場を見ていきましょう。
SL280HCGS | 4,682,700円 | 28馬力 |
M720W | 5,610,000円 | 72馬力 |
これは参考価格なので地域によっても前後したり、オプションの有無や販売店でも変わるので、購入する際には色々な店舗で見てから決めましょう。
中古のトラクターの相場
中古のトラクターの相場は以下の通りです。
GL220 | 715,000円 | 22馬力 |
GT23GTF | 880,000円 | 23馬力 |
これはあくまでも一例なので状態によっては違いますが、中古ではこの程度のものが多く並んでいます。
しかし中古でも状態の良いものを見つければ長年使うこともできるので、ぜひ焦らずじっくりと探してみてください。
トラクターの相場決定要因まとめ
ここまで5つのトラクターの相場を決める要因を解説してきましたが、改めて要因は以下の通りです。
- 馬力
- メーカー
- 年式
- アタッチメント
- 新品か中古か
これらの要因を知ることで、トラクターがどのような値段かが分かるので中古を買う際にも活用して適正な金額を知っていきましょう。