トラクター相場の決定要因と価格の目安を徹底解説

トラクターの購入を検討する際、どれくらいの費用がかかるのかを知っておくことは非常に重要です。今回は、トラクターの相場を決める5つの要因について、農機具のプロである筆者が詳しく解説していきます。

トラクターの価格相場は5つの要因で決まる

トラクターの相場は主に5つの要因で決まっており、その要因を知ることでトラクターを購入する際の目安にすることができます。この記事では、その5つの要因を一つずつ解説していきます。

  • 要因①:馬力
  • 要因②:メーカー
  • 要因③:年式
  • 要因④:アタッチメント
  • 要因⑤:新品 or 中古

この5つの要因を理解することで、トラクターの価格を正確に把握し、より適切な購入判断ができるようになります。

【トラクターの相場決定要因①】馬力

馬力は、トラクターの価格を左右する最大の要因です。一般的に、馬力が高いほど作業が効率的に行えるため、価格も比例して上昇します。新品のトラクターでは「1馬力=約10万円」が目安となりますが、中古の場合は「1馬力=3万円程度」が相場です。

では、馬力ごとの具体的な相場を見ていきましょう。

20馬力以下の相場

20馬力以下のトラクターは、比較的小規模な農地での作業に適しており、相場は約200万円が目安です。例として、以下のような機種があります。

 

クボタNB172,147,200円17馬力
ヤンマーGK161,545,500円16馬力

中古市場では、1馬力あたり3万円を基準にすると、約60万円以下で購入できることが一般的です。

40~50馬力の相場

40~50馬力は、標準的な農地の作業に使われることが多く、相場は400万円~500万円です。例として以下の機種を挙げます。

クボタSL455,281,100円45馬力
ヤンマーYT3455,810,000円45馬力

 この価格帯では、新品価格が目安を上回るケースが多く、馬力が増えるにつれて価格の上昇幅も大きくなることが分かります。

60~70馬力の相場

60~70馬力のトラクターは、大規模農地での作業に適しており、相場は600万円~700万円です。以下の例を見てみましょう。

クボタMR608,485,400円60馬力
ヤンマーYT460A7,007,000円60馬力

60馬力以上になると、新品価格が600万円を超えることが一般的です。馬力が増えるとともに価格の差が広がることが分かります。

80~100馬力の相場

80~100馬力のトラクターは、さらに大型の作業を行うためのものです。相場は800万円以上が目安となります。

クボタMR8009,629,400円80馬力
ヤンマーYT488A7,475,000円88馬力

1000万円を超える場合もありますが、この価格帯ではメーカーごとの価格差も縮まる傾向があります。

100馬力以上の相場

100馬力以上のトラクターは、主に大規模農地や特殊な作業に用いられ、価格は1000万円を超えることがほとんどです。

 

クボタM100GE11,581,900円100馬力
ヤンマーYT4104A11,027,500円104馬力

馬力が大きくなるにつれて、価格差が広がることが少なくなります。 

【トラクターの相場決定要因②】メーカー

次に、メーカーごとにトラクターの価格がどう変わるのかを見ていきましょう。メーカーによっては価格帯や性能が異なり、選択に影響を与える重要な要素です。

クボタ

クボタは国内シェアNo.1を誇り、国内外で高い人気を誇るメーカーです。特に小型ながらもパワフルで耐久性に優れ、故障が少ないため中古市場でも高値が付きます。以下の価格例を見てみましょう。

【トラクター価格例】

NB21-GS212,466,200円21馬力

 

SL243,270,300円24馬力

 

クボタのトラクターは新品・中古ともに高めの価格設定ですが、その耐久性から「高品質で長持ちする」と評価されています。

ヤンマー

ヤンマーは国内シェア2位のメーカーで、トラクターは運転のしやすさとパワフルさに定評があります。以下の価格例を見てみましょう。

YT2252,706,000円25馬力

 

 

YT330A(J)3,795,000円30馬力

 

ヤンマーは、メンテナンスに手間がかかることがデメリットですが、地域によってはヤンマーの修理工場があり、メンテナンスをしっかりと受けられる場合にはおすすめのメーカーです。 

イセキ

イセキは国内シェア3位で、新車価格が他メーカーよりも安めに設定されており、手軽に購入できる点が魅力です。以下の価格例を見てみましょう。

RTS231,965,000円23.5馬力

 

NT603E5,918,400円60馬力

 

ただし、イセキのトラクターは故障がやや目立つこともあり、メンテナンスを考慮して選ぶ必要があります。

三菱マヒンドラ

三菱は耐久性が高く、特に2000年代以降のモデルは中古市場でも高い人気を誇ります。

三菱のトラクターは耐久性が特徴であり、故障の少ない設計が施されています。

さらに、クボタのOEM製品も扱っており、部品の供給も比較的スムーズに行われるため、長く使用できることがメリットです。以下の価格例を見てみましょう。

  • GS250:2,300,000円(25馬力)
  • GS330:3,500,000円(33馬力)

【トラクターの相場決定要因③】年式

年式はトラクターの価格を決める大きな要因の一つです。年式が新しいほど価格は高く、古いものほど価格が下がる傾向にあります。

年式の確認ポイント

年式は、トラクターが市場に登場した年を指し、中古トラクターを購入する際には重要な指標です。古いモデルでも状態が良ければ十分に使用できますが、年式が古すぎると部品の入手が困難になることがあるため注意が必要です。

年式が古いトラクターの相場

例えば1980年代のトラクターは、年式が古いため価格はかなり下がりますが、人気のあるモデルや状態の良いものは30万円前後で取引されることもあります。特に、長寿命を誇るクボタやヤンマーなどのトラクターは、古い年式でも十分に使用可能です。

最近の年式のトラクターの相場

最近の年式のトラクターは、中古でも高値が付きやすく、馬力が高ければ数百万円の値が付くことがあります。特に、2~3年以内のモデルは、新品価格の7割程度の価値が維持されることが多いです。トラクターの年式をチェックし、メンテナンス履歴なども確認することで、より安全な中古購入が可能となります。

【トラクターの相場決定要因④】アタッチメント

アタッチメントは、トラクターの作業用途に応じて取り付ける追加の機器です。これらのアタッチメントは、トラクターの価格に大きく影響を与えます。

よく購入されるアタッチメント7選

  • ロータリー:土を砕いてかき混ぜ、整地する。
  • プラウ:固い土を掘り起こすためのアタッチメント。
  • 草刈り機:雑草を刈り取るためのアタッチメント。
  • ローダー:資材などを運ぶためのアタッチメント。
  • トレーラー:重量物を運搬するためのアタッチメント。
  • サブソイラー:土壌の通水性・通気性を改善するためのアタッチメント。
  • 畝立機:畑で畝を立てるためのアタッチメント。

これらのアタッチメントは、それぞれ数万円~数十万円の価格帯があり、作業効率を大幅に改善します。

アタッチメントの価格相場

ヤフオクなどのオークションサイトでは、アタッチメント単体の平均価格は約36,000円(2020年時点)です。ロータリーやプラウは比較的安価ですが、ローダーなどは数十万円になることもあります。

アタッチメントの価格は作業効率に直接影響するため、トラクターと一緒に購入する場合には、必要なアタッチメントを適切に選ぶことが重要です。特に、大規模な農業作業を行う際には、複数のアタッチメントを組み合わせて使用することで、効率が大幅に向上します。

 【トラクターの相場決定要因⑤】新品or中古

トラクターの相場は新品か中古かでも違っているので、それぞれ見ていきましょう。

 

新品のトラクターの相場

ここではクボタのトラクターを例に、新品のトラクターの相場を見ていきましょう。 

SL280HCGS4,682,700円28馬力

  

M720W5,610,000円72馬力

新品トラクターは地域やオプションによって価格が変わるため、購入前には複数の販売店で見積もりを取り、比較することが重要です。

中古トラクターの相場

中古トラクターは、新品に比べて大幅に価格が下がります。

GL220715,000円22馬力

 

GT23GTF880,000円23馬力

 

中古トラクターは、状態が良ければ長期間使用できるため、予算を抑えたい場合には非常に有力な選択肢です。中古市場では、状態が良いものほど高値が付きやすく、購入時には整備状況やメンテナンス履歴をしっかりと確認しておくことが大切です。 

まとめ:トラクターの相場決定要因

ここまで、トラクターの相場を決定する5つの要因について解説してきました。改めて、要因を整理すると以下の通りです。

  1. 馬力
  2. メーカー
  3. 年式
  4. アタッチメント
  5. 新品 or 中古

これらの要因を理解することで、適正な相場を把握し、トラクターの購入をよりスムーズに進めることができます。特に、中古トラクターを検討する際は、メンテナンス履歴やアタッチメントの状態をしっかりと確認し、トータルでお得なトラクターを見つけることが重要です。ぜひ、この記事を参考にして、あなたに最適なトラクターを見つけてください。

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  • 著者 テノ
  • カテゴリー トラクター

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