- 耕運機の回転数が安定しない(エンジンの息継ぎ)
- 耕運機の調子がよくない
耕運機を使い込んでいくとエンジンが息継ぎして作業がスムーズに行えなくなります。
その問題のほとんどは耕運機のキャブレター掃除で改善します。
しかしキャブレターの掃除は機械に慣れている人なら簡単ですが、慣れていないと難しいです。
今回はキャブレター掃除をする方法を中心に、耕運機の調子が悪い時の対処方法についてご紹介します。
この記事は、全国33箇所に拠点を持ち、地域密着かつ全国対応している農機具の買取と販売を行っている農機具王のWeb担当である、私が書かせていただきます。
この記事では以下の内容をまとめました。
- 耕運機のエンジンが息継ぎしているのはどのような状態か
- キャブレターの掃除(必要な道具・注意点・手順)
- キャブレターの掃除で改善しない場合
- 機械に慣れていない人の対処方法
この記事を参考にすれば、耕運機のエンジンが息継ぎしたときの問題に対処できるようになります。
とくにに手順を確認して自分にできそうか判断するのが重要です。
まずは耕運機のエンジンが息継ぎしてしまう状態がどういうことなのか確認しましょう。
耕運機のエンジンが息継ぎ(ハンチング)してしまう状態と解決方法
耕運機のエンジンが息継ぎするとは、エンジンの回転数が一瞬下がってまた元に戻る現象です。この減少はハンチングと呼ばれたりもします。
息継ぎしてしまうと回転数のムラがあるため耕うん作業に支障をきたします。
回転数が一瞬下がったときに、しっかりと耕うんされていないので、やり直しが必要だったり、一定の回転数が保てていないため、致命的な故障に繋がることがあります。
耕運機のエンジンが息継ぎする原因
耕運機のエンジンが息継ぎしてしまう原因のほとんどは、キャブレターと呼ばれるガソリンと空気を混合する箇所が汚れていたり詰まってしまっていることです。
キャブレターはガソリンと空気を混合させてエンジンに送り込みます。この時の不具合です。
解決策はキャブレターの掃除。
ここからキャブレターの掃除についてご紹介します。いきなり記事やYouTubeの動画などを確認しながら、やってみるのはオススメしません。普段から機会のメンテナンスに慣れている方には簡単な作業ですが、慣れていない人には難しいのでオススメできません。まずは手順を確認して自分で対応するか判断してください。
耕運機のキャブレターを自分で清掃する方法
それでは実際にキャブレターを自分で清掃するときに、必要なものや注意点、実際の手順について説明します。
キャブレター掃除に必要なもの
キャブレター掃除に必要なものは以下の3点です。
- キャブレタークリーナー
- パーツクリーナー
- 農機具を整備できる工具
それぞれ確認していきます。
キャブレタークリーナー
まとわりついた燃料を溶かして落とすものです。頑固な油汚れもキャブレタークリーナーなら落とすことができます。
キャブレターだけではなくピストンやシリンダーにも使用します。
価格は500円~3000円で購入可能です。
パーツクリーナー
パーツクリーナーは油汚れを落とすクリーナーです。
メインはキャブレタークリーナーを使いますが、後述する手順で使います。
価格は300円~1000円程度です。
農機具を扱う工具
農機具のメンテナンスを行える工具を揃えておく必要があります。
とくにキャブレターを分解するときに、十分に工具が揃っていない状態で行わないでください。
キャブレターで使用しているネジなどは、合わない工具で回そうとすると、潰れやすくなります。
しっかり工具を揃えている方だけ、キャブレター掃除を行ってください。農機具にお願いする対応方法については後半に記述しています。
キャブレター掃除の注意点
キャブレター掃除の注意点は以下の通りです。
- 写真と動画を撮影して行う(どのネジがどこに付いていたか確認する)
- 整地していない場所で行わない(ネジをなくす)
とくに初心者の方はキャブレターを取り出したら、写真や動画を撮影しながら行ってください。分解したあとに、組み立て直す必要があります。
元に戻せなくなる可能性があるので、最初に撮影しておくべきでしょう。
更に畑などの整地していない場所で行わないようにするべきです。落としたら確実になくします。
キャブレターの掃除手順
ここからはキャブレターの掃除手順をご紹介します。
しっかり自分で行えそうか確認してください。
キャブレターは外側から掃除をしましょう。外側の汚れが内側に入ってしまうので、外側をパーツクリーナーでキレイにしてください。
キャブレターの一番下についているボルトを外します。フロートと混合機の部分を分けていきます。
フロート(下部)の汚れを取り除きます。フロートが汚れていると、上部のネジをすべて外して上部も掃除を行います。
上部の部分はネジが真ちゅうでできているので、外すのが難しいです。
一通り分解したら、キャブクリーナーで清掃をします。
最後に元通りに組み立て直します。
キャブレター上部のネジは真ちゅうでできています。腐食に強い特徴があります。その反面、鉄や他の金属に比べて強度が低いため、破損しやすいです。ネジ山を潰してしまったり欠けてしまいます。
ここまで確認してみていかがでしょうか。慣れている方にはなんてことのない作業です。私も現場でキャブレターの分解を体験したことがありますが、初見では難しくきちんとやりきれませんでした…。自信の無い方は近隣の農機具店にお願いしましょう。
掃除で耕運機エンジンの不調が改善されない場合
清掃で耕運機の不調が改善されなかった場合は、掃除不足が考えられます。完璧に掃除したのに改善されない場合は以下の理由が考えられます。
- エアクリーナーの根詰まり
- 点火プラグ不良
- エンジンの圧縮不良
それぞれご説明します。
エアクリーナーの根詰まり
キャブレターはガソリンと空気を混合する箇所と説明しましたが、空気が側の問題も疑ってみましょう。
エアクリーナーが根詰まりしているパターンがあるので、その場合はエアクリーナーの掃除と交換をしてください。
点火プラグ不良
息継ぎ症状には直結しませんが、エンジンを点火させるためのプラグが不調の場合もあります。
プラグを交換して対応しましょう。
エンジンの圧縮不良
ピストンの摩耗や破損などでエンジン内部で圧縮不良が原因になることがあります。
この場合はエンジンの取替が必要です。厳密に言えば修理も可能ですが、多くの農機具店ではエンジンの交換などで対応します。
キャブレター掃除をしっかりしてもエンジン不調が改善されない場合、まずはエアクリーナーと点火プラグを確認してみてください。
キャブレター以外のメンテナンスは以下の記事を参考にしてください。
整備や機械に慣れていない人は…
キャブレターの掃除は慣れている人からしたら難しい作業ではありません。
しかしやったことがない人にとっては、とても難易度が高いです。
農機具店でキャブレター掃除をお願いする
キャブレター掃除は、ほとんどの農機具店で5000円~10000円程度で対応してもらえます。
自信の無い方は農機具店でキャブレター掃除をお願いしましょう。
日頃の耕運機メンテナンスについて
とくにエンジンオイルの交換や追加が大事です。
とくに気をつけなければならないことはエンジンオイルの量です。
少なすぎても多すぎても不調に繋がります。とくにエンジンオイルが多すぎると壊れてしまうので気をつけてください。
日頃のメンテナンスとしては、定期的にエンジンオイルの量が規定量になっているか確認しましょう。
まとめ
この記事でいちばん重要なポイントは、機械のメンテナンスに慣れていない人は農機具店に依頼することです。
中途半端な工具や知識でキャブレターを分解すると、元に戻せなくなったりネジを無くしてしまう可能性があります。
無理せずお願いできることは、専門家に任せましょう。
普段からメンテナンスに慣れている方が気をつけるべきは、始動時にエンジンオイルが規定量になっているか確認してください。とくにエンジンオイルを入れすぎると故障してしまいます。
ぜひこの記事を参考にして、自分が何を行うべきか判断していただけたら幸いです。
終わります。