こんにちは、テノです。
今回はコンバインについて詳しくない方へ向けて、コンバインとは何かをわかりやすく解説していきたいと思います。
これから農業に従事する方はコンバインとはどんなものかよく分からず、どういった用途があるのか知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はコンバインとは一体何なのか?について詳しく構造や種類などを解説し、わかりやすくまとめていますのでご覧ください。
コンバインとは?
コンバインとは、
- 収穫
- 脱穀
- 選別
の3つの機能が合わさった農業機械のことで、英語では【combine】と書かれますが、これを訳すと【合体すること】という意味になっています。
コンバインが生まれる前までは全て手作業だったため、農業は非常に重要労働かつ時間のかかるものでしたが、コンバインの誕生で農業に関する環境は一変しました。
昭和45年までは10aあたりの刈取・脱穀時間が35.5時間だったのに対し、平成25年では3.2時間と91%も短縮しています。
まさに名前の通り、農業の労働時間を短縮するために収穫・脱穀・選別の3つを合体させて生み出されたのがコンバインです。
ではそんなコンバインには自脱型と普通型の2種類があるので、次の見出しでそれぞれの違いを詳しく解説していきます。
コンバインには2種類ある?
コンバインは大きく分けて自脱型と普通型の2種類があり、ここでは以下のそれぞれの違いや用途について解説しています。
- 自脱型コンバインの特徴
- 自脱型コンバインの利用用途
- 普通型コンバインの特徴
- 普通型コンバインの利用用途
- 自脱型と普通型の違い比較
ではそれぞれの違いをご覧ください。
自脱型コンバインの特徴
自脱型コンバインは、
- 刈取機
- 脱穀機
の2つの機能を併せ持っていることが特徴です。
刈取をバインダーで行い、刈り取ったあとに穂先だけを取り込むことで脱穀と選別をする仕組みになっています。
当初は普通型コンバインが稲の刈取に使われていたこともありますが、稲を傷つけたり水田に向かないといった理由があり、日本独自に開発されました。
稲の刈取から脱穀、選別まで全てを行ってくれる稲作には欠かせない存在です。
自脱型コンバインの利用用途
自脱型コンバインは主に稲や麦の収穫に利用されます。
普通型コンバインは刈り取った全てを取り込むことで選別を行いますが、自脱型コンバインが取り込むのは穂先だけです。
そのため稲や米の粒を傷つけることなく選別を行えるので、普通型コンバインよりも選別能力に優れています。
普通型コンバインの特徴
普通型コンバインの特徴は基本的にどんな作物にも対応できることです。
自脱型とは違い、刈り取った作物全てを取り込んで選別し、作物だけを選別する仕組みになっています。
また、仕組み的には自脱型よりもシンプルな構造で、メンテナンスが楽な点も特徴です。
普通型コンバインの利用用途
普通型コンバインの利用用途は主にトウモロコシや大豆などの幅広い作物に使えます。
対応している作物のバリエーションはとても幅広く、刈取部を取り替えることで色々な作物へ対応させることが可能です。
ただし、稲に関しては刈取もできないことはないものの、大型であることや選別機能が自脱型よりも劣ることから、あまりおすすめはできません。
水田ではない通常の作物の栽培なら、普通型コンバイン1台で対応できるでしょう。
自脱型と普通型の違い比較
自脱型と普通型の違いをわかりやすく比較すると、以下のようになります。
種別 | 作物 | 選別機能 | 構造 |
自脱型コンバイン | 稲・麦 | 良い | 複雑 |
普通型コンバイン | 大豆・トウモロコシ・麦など | 悪い | シンプル |
米などを育てるのであれば自脱型、その他の作物を育てるのであれば普通型というように、コンバインを選ぶ際には自分がどんな作物を育てているのかで選ぶようにしましょう。
では次の見出しで、コンバインの構造はどうなっているのか解説をしていきたいと思います。
コンバインの構造
コンバインの構造は主に以下のような構造です。
- 刈取部
- 搬送部
- 脱穀部
- 殻粒処理部
- 排ワラ処理部
まず、刈取部とは刈取作業を行う場所で、2条刈りから10条刈りまでの幅広いものがあります。
その後、刈り取られた作物は搬送部にある搬送チェーンや掻き取りベルトを通って脱穀部分へと移す仕組みです。
そして選別したモミを殻粒処理部へ移し、グレンタンク式や袋詰め式で分けられ、作物を選別したあとのワラは排ワラ処理部で処理します。
ちなみに、袋詰め式は近年ではあまり使われる機会はあまりなく、トラックなどが入れないような地形の場合にのみ使われており、基本的にはグレンタンク式がデフォルトです。
このようにコンバインは刈取から脱穀、選別を行う構造になっています。
では続いての見出しではコンバインを販売している大手国産メーカー4選の紹介と、その特徴について解説していきますのでご覧ください。
コンバインを販売している大手国産メーカー4選とその特徴
コンバインを販売している大手国産メーカーは以下の4つです。
- 井関農機(イセキ)
- クボタ
- 三菱マヒンドラ農機
- ヤンマー
これら4つの大手国産メーカーの特徴を解説していきますので、ご覧ください。
井関農機(イセキ)
井関農機(イセキ)は1926年に愛媛県で創業された老舗メーカーの一つです。
1966年に初めて国内で自走自脱型コンバインである「フロンティアHD50」を販売した実績があり、業界をリードしてきた実績があります。
現在ではフロンティアシリーズの後継機や、幅広いラインナップのコンバインを提供し続けているメーカーです。
クボタ
クボタは国内シェア1位、世界シェアでも2位を誇る国内最大手のメーカーです。
1968年にはじめて生産したHT125を皮切りに、業界初となる自動制御機を搭載したNXシリーズや、グレンタンク式の開発などを行ってきました。
現在では自動運転を搭載したアグリロボコンバインなどで、農業の負担を減らすことに力を注いでいます。
三菱マヒンドラ農機
三菱マヒンドラ農機は2015年に、インドのマヒンドラ&マヒンドラ社と戦略的合意から現在の三菱マヒンドラ農機へとなりました。
コンバインはVシリーズの人気が高く、幅広いラインナップを揃えていることが特徴です。
ヤンマー
ヤン坊・マー坊でお馴染みのヤンマーは、ディーゼルエンジンの小型化に初めて成功した企業です。
コンバインでは刈取りフィットスライドの搭載で刈り残しを無くすことや、全面刈りの搭載で刈り取っていない稲を傷つけないようにしたりと、独自の開発に力を入れています。
また、収穫量を計算してくれる情報支援機能付きコンバインなど、幅広いラインナップ数を誇ることが特徴です。
まとめ
今回はコンバインとは何なのか、ということを詳しく解説してきましたが、いかに便利な農機かお分かりになられましたか?
そんなコンバインについて簡単にまとめると、
- 自脱型
- 普通型
の2種類に分かれており、収穫・選別・脱穀の3つの機能をまとめた農機具です。
コンバインは農業の労働や時間を効率良くするために生まれたもので、コンバインが無ければ農業に従事している方の作業は途方もないものになるでしょう。
メーカーによってもその特徴や仕様などは全く違っていますし、これから導入を予定されている方は色々と見てみると面白いかも知れません。
この記事を参考に、自分にはどんなコンバインが良いのかじっくりと選んでみてください。
またコンバインの買取を考えている方は、農機具王のコンバイン買取ページで実際の買取金額を掲載しているので参考にしてください。