秋の稲刈りシーズン、農家に欠かせない心強いパートナー「コンバイン」。でも、そんな頼れる存在も、いざ故障すると修理費用は高額になりがちです。中には修理代が30万円以上にのぼるケースも少なくありません。
でも、ちょっと待ってください!コンバインの故障は、その「原因」と「予防策」を知るだけでぐっと減らせる可能性があるんです。さらに、万が一壊れてしまっても、適切な修理法を知っていれば大きなトラブルを回避できます。
この記事では、コンバインのよくある故障原因と、修理や整備の費用相場、そしておすすめ業者まで徹底解説!収穫作業をスムーズに乗り切るための知識を、ぜひ最後までご覧ください。
コンバインのよくある故障の原因3選
コンバインは、その使用頻度や環境により、さまざまな理由で故障する可能性があります。特に、1年のうち秋の稲刈りシーズンにしか使わないにもかかわらず、シーズン中は連日酷使されることが故障の大きな要因です。
しかし、どのような原因で故障しやすいのかを知っておけば、トラブルを未然に防ぎ、長持ちさせることが可能です。ここでは、コンバインのよくある故障原因を3つ詳しくご紹介します。
1.ベルトの破損
コンバインの故障原因として特に多いのが、ベルトの破損です。
コンバインには以下の主要部位にベルトが使われています:
- 脱穀部
- 脱わら処理部
- 駆動部
- 刈取部
これらのベルトが損傷すると、動力が正しく伝達されず、コンバイン全体が動かなくなることがあります。
具体例:
- 長年使用していると、ベルトの表面が擦れて凹凸がなくなり、滑りやすくなる。
- ベルトが伸びきることで動力伝達が弱まり、稲の収穫ができなくなる。
- 亀裂や摩耗によって突然切れてしまう。
予防は使用前後にベルトの状態を点検し、劣化や摩耗が見られた場合は早めに交換を検討しましょう。また、シーズンオフには保管前にベルトを緩めておくと、劣化を抑える効果があります。
2.グリースの不足
コンバインには多くの可動部分があり、それらをスムーズに動かすためにはグリース(潤滑剤)が欠かせません。グリース不足は部品同士の摩擦を引き起こし、部品の摩耗やサビ、果ては故障につながります。
よくあるトラブル例:
- 稲を刈り取った後にワラを排出する「排ワラ株元チェーン」にグリースを注油しないと、ワラが詰まって動作不良を引き起こす。
- 可動部分が滑らかに動かず、負荷がかかってエンジンや他の部品にも影響を与える。
予防策:
- 取扱説明書を参照して、必要箇所へのグリース注油を定期的に行いましょう。
- グリース不足は音や振動の異常でもわかる場合があります。異常を感じたら早急に対応することが重要です。
3. 配線の故障
コンバインは多くの電気配線で構成されていますが、それらが断線や接触不良を起こすと動作に支障をきたします。
主な原因:
- コンバイン内に残った稲や穂を食べに来たネズミが配線をかじる。
- 配線が劣化し、振動や衝撃で断線する。
トラブル例:
- 操作パネルの反応が悪くなる。
- エンジンが始動しなくなる。
- 電気系統のショートや漏電のリスクが高まる。
予防策:
- 使用後に内部を徹底的に清掃し、ネズミの侵入を防ぎましょう。
- 配線部分を保護する専用チューブやカバーを使用するのも有効です。
ここまで、コンバインのよくある故障の原因3選をお伝えしてきました。
しかし、どうしてもコンバインが故障してしまうこともあるでしょう。
そこで次の章では、コンバインの修理・整備費用の相場についてお伝えします。
コンバインの修理・整備の費用・相場はどれくらい?
修理・整備費用は、コンバインのサイズやどのような修理内容にするかによって異なります。
ここではコンバインの主な3つの整備内容とその費用についてご紹介します。
- 点検
- 洗浄
- 修理
それでは1つずつみていきましょう。
点検
コンバインの点検・整備費用の相場は、30,000円〜65,000円です。
2条刈りのコンバインを整備するのに約30,000円、3条刈りのもので約40,000円、6条刈りのもので約65,000円かかります。
点検の内容は、ベルトの点検交換、熱風路の点検、排風路の点検、上下部ラセン点検、スロワーの点検、燃料漏れの点検、グリースアップなどが含まれているのが一般的です。
さらに、コンバインを使い終わって格納前には、足回り土落としや出張料などを頼む場合は、追加の費用が必要になることもあります。
いずれにしても、コンバイン使用前の点検は接待に必要ですので、必要経費と割り切ってしまうのがいいでしょう。
洗浄
コンバインの洗浄代は10,000円〜というのが一般的です。
小さいものなら安くなる場合もありますし、大きい6条刈りのものなら少し高額になることもあります。
しかしながら、点検・整備費用の相場に比べると、比較的リーズナブルなので気軽に申し込む農家さんも多いです。
自分で洗浄するのも良いですが、業者に依頼して洗浄したほうがラクですし、内部までしっかりと清掃してくれるので、ネズミ被害にあうこともないでしょう。
普段は自分で洗浄して、コンバイン格納前には、業者による洗浄をしてもらうのがおすすめです。
修理
コンバイン修理の基本費用の相場は、1時間あたり5,000円からというのが一般的です。
部品交換が必要な場合は、基本費用に加えて部品交換代が必要になってきます。
ほかにも溶接が必要な場合には約1,000円が溶接代としてかかってきますし、レッカー代や運搬費、出張費用などが必要です。
もちろんコンバインのサイズによっても修理料金は異なりますが、すべての費用を合計すると最低で50,000円〜80,000円は用意していたほうがいいでしょう。
すこし高く感じるかもしれませんが、専門知識がないまま自分で修理すると、ほかの故障をまねいたり事故につながりかねません。
万が一コンバインが故障したときには、専門業者や農具屋さんに依頼するようにしましょう。
この章では、コンバインの修理・整備費用の相場についてお伝えしてきました。
コンバインを修理したり点検する際にどのくらいの費用がかかるのかお分りいただけたはずです。
コンバインの修理におすすめの業者3選
この見出しではコンバインの修理対応が可能な3社を紹介しています。
3社の特徴や対応範囲を記載しているので、参考にしてください。
クボタ整備サービス
クボタのコンバインをお使いの方は、まずクボタのアフターサービスを利用してみるのがおすすめです。
クボタでは、納品後1年以内のコンバインであれば無償(部品交換が必要な場合は有料)で点検整備が受けられます。
燃料漏れやちょっとした部品の不具合だけなら、このアフターサービスで十分に対応できます。
クボタのコンバインをご利用なら、気軽に問い合わせてみるといいでしょう。
神野農具
「クボタ以外のコンバインを使っている」もしくは「メーカー問わず整備や修理してほしい」という方は、神野農具見問い合わせてみましょう。
持ち込み修理はもちろん出張修理にも対応しているなど、自分でコンバインを持っていけないという人にも嬉しいサービス付き。
ほかの業者で部品を扱っていない場合でも、豊富な中古農具を扱っている神野農具なら柔軟に対応してくれます。
コンバインの修理にお困りの方は、ぜひ一度ご相談を。
有限会社サワイ
6条刈りなどの大型コンバインをお使いの方は、有限会社サワイへ修理依頼するのがおすすめです。
有限会社サワイでは、チェーンソーなどの小型農具から、トラクターなどの大型農具まで幅広い修理を請け負っています。
そのため大型コンバインが故障しても、熟練したスタッフが豊富な知識と経験を活かして対応してくれますよ。
「大型コンバインが壊れてどうしていいか分からない」という方は、ぜひ一度有限会社サワイに問い合わせてみてください。
この章では、3つのコンバイン修理業者をお伝えしました。しかし実際にどの業者にすればいいか分からない方も多いでしょう。
そこで最後に、コンバインを修理する際のちょっとした注意点をお伝えします。
コンバインを修理する際の注意点
コンバインの修理を業者に依頼する際には、以下の注意点を押さえておくことで、トラブルを防ぎ、安心して修理を任せることができます。
1. 複数の業者から相見積もりを取る
まず最も重要なのが、複数の修理業者から見積もりを取ることです。相見積もりを行うことで以下のメリットがあります:
費用の比較:各業者の料金を比較することで、適正価格を把握できます。
作業内容の確認:見積もり内容を確認することで、作業の詳細や必要な部品交換の有無がわかります。
業者の信頼性チェック:誠実な業者ほど、明確で具体的な見積もりを提示してくれます。
2. 修理業者の評判をリサーチ
ただ安いだけで業者を選ぶのは危険です。修理の質が低いと、再びトラブルが発生する可能性が高まります。以下のポイントで業者の評判を確認しましょう。
- オンラインの口コミ:地域の農家コミュニティやレビューサイトで評判を確認。
- 実績の確認:農具専門店やメーカー認定の業者であるかどうかを調べる。
- アフターサポートの有無:修理後のサポートがしっかりしている業者を選ぶと安心です。
3. 修理内容を詳細に確認する
修理に出す前に、業者に以下の点を確認しておきましょう。
- 修理の範囲:具体的にどの部品を修理・交換するのか。
- 修理にかかる期間:シーズン中の稼働に間に合うか。
- 保証内容:修理後に不具合が再発した場合の対応。
特に、「交換する部品は純正品か互換品か」「交換した部品の保証期間はどれくらいか」といった細かい部分も確認することが大切です。
4. 修理費用に含まれる項目を確認
見積もりの際、修理費用には以下の項目が含まれているか確認しましょう:
- 作業費用:時間単位の作業費用が明確か。
- 部品代:使用される部品の詳細と価格が含まれているか。
- 出張費・運搬費:業者が現地に来る場合や、コンバインを運搬する場合の費用。
- 追加費用:溶接や特別な作業が必要な場合の追加料金が事前に明示されているか。
5. トラブルを防ぐための事前準備
修理前に以下を実施しておくことで、業者とのやり取りがスムーズになります:
- 故障箇所の把握:異常が発生した際の状況をメモしておきましょう(例:「稲刈り中にベルトが切れた」「エンジンがかからない」など)。
- 故障の原因推測:可能であれば、自分で簡単なチェック(ベルトの破損やグリース不足など)を行い、業者に伝えます。
- 事前清掃:故障部分がわかりやすいよう、コンバインを清掃しておきましょう。
6. 緊急時の備え
収穫シーズン中にコンバインが故障した場合、迅速な対応が求められます。そのために以下を準備しておきましょう:
- 予備部品のストック:ベルトやグリースなど、消耗品を常備しておく。
- 信頼できる業者のリスト:地域の修理業者やメーカーサポート窓口の連絡先を事前に用意。
- 代替手段の確保:収穫期に備えて、レンタルコンバインが利用可能な業者も調べておくと安心です。
コンバインの修理は、焦らず適切な手順を踏むことで、無駄なコストやトラブルを防ぐことができます。
複数の業者から相見積もりを取り、費用や対応の良さを比較したうえで信頼できる業者に依頼しましょう。また、修理後の保証やサポートがある業者を選ぶことも大切です。
さらに、日々のメンテナンスや消耗品のチェックを欠かさないことで、故障のリスクを減らし、収穫作業をスムーズに進めることができます。準備をしっかり整え、トラブルに強い環境を作りましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は、よくある故障の原因と修理方法・費用についてまとめてみました。
コンバインは米農家にとって欠かせない農具です。
そのため、普段からの定期的なメンテナンスや点検整備が必要です。
しかし、ベルトの破損やグリースの不足・配線の故障など、どうしても壊れてしまうこともあります。
万が一コンバインが故障してしまった時には、専門業者に修理を依頼しましょう。
その際に複数の業者から相見積もりを取ることを忘れずに。
焦らず落ち着いて、納得のいくコンバイン修理をしましょう!
またコンバインの買取を考えている方は、農機具王のコンバイン買取ページで実際の買取金額を掲載しているので参考にしてください。